生田耕作と彼が設立したプライベート・プレス、サバト館の本です。

生田氏は京都大学でフランス文学を研究し、マンディアルグやボーヴォワールの翻訳を手掛けるようになります。京都大学教授に就任して二年後の1972年、バタイユ「死者」刊行の際に立ち上げたのがサバト館です。以後も最晩年までフランス異端文学を紹介し続けました。加えて泉鏡花を筆頭に山崎俊夫や木水彌三郎など、一度は時代に埋もれた名文学者を再発見した業績も大きいです。

サバト館ではシュルレアリスム・オカルティズム・エロティシズムに富んだ作品が刊行されました。その書籍は箱とページに施された挿画や天金が特徴の豪奢な装幀で仕上げられ、内容に見劣りしない刺激的な魅力をもっています。頽廃美ある挿画を描いた山本六三やアラステアは独立した画集も刊行されており、生田耕作の美しい本にこだわったビブリオマニアとしての一面が伺えます。

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